キバラシハラシ 

文 つっきん


虹色のかさをさしたリスがいました。
リスはむすっとむくれたかおをしていました。

かわいらしい耳も
くるりとカールしたしっぽも
黒くつやつやした瞳も持っているというのに
そんなことはおかまいなし。
ただただむくれておりました。

仲間のリスや、仲良しの動物たちは口をそろえて言いました。

「元気だしなよ、元気だしなよ。」

森の木々やそよぐ風や降りしきる雨風や、太陽の光までもが言いました。

「元気出さなきゃ、はじまらない。」

あんまりみんなにはげまされると、
リスはますますむくれてきました。

そうすると、みんなはこう言い始めました。

「なにをツンケンしているの?」
「なにか言ったらどうなのよ?」


そしてとうとう
リスはみんなの目からにげるように
自分のもっていた虹色のかさを四六時中広げるようになりました。

虹色のかさは、リスのひいじいさまが
「きっとおまえの役に立つ」とくれたもの。

リスはそっと思いました。
「それなりに役に立ってるもん。」

ところが、森の仲間はあきれ顔。
雨も降らないのにおかしなヤツだと言いました。
むくれてばかりのバカなヤツだと言いました。

そうしていつしか
虹色のかさをさすリスに話しかけるものはいなくなりました。

それはそれは とってもさびしいことでしたけれど
リスにはどうすることもできないのでした。

ある日
虹色のかさをさすリスが ぼんやり歩いていると
「あ!あぶない!」という声がしました。
リスがふっとかおをあげると、
クルミがひとつ みるみる目の前に飛んでくるところでした。

リスは、とっさにかさでふせごうとしました。
パンッとはぎれよい音とともに、クルミがかさに命中しました。

くるくるくる
思わずかさがくるくるまわって

テッテケテケテケテ

クルミがかさの上でおどりだしました。

テッテケテケテケテ

リスはわき目もふらずむちゅうでかさをまわしつづけました。
おなかのそこからわくわくもくもく力がわいて
いつしか その目は しんけんに
いつしか くちは にっこりと

とってもすてきなえがおになりました。

パチパチパチパチ

おおきなはくしゅに、リスはかさをおろしました。
いきおいあまったクルミはポンッとジャンプして
ちょこんとリスのあたまにのっかりました。

アハハハアハハ すばらしい!

いつのまにか 森の仲間とわらい声にかこまれて
リスはもう うれしくて うれしくて

そうか
かさの使いみちはこうだったのか!
ひいじいさま ありがとう!と

それから あちらこちらの森や林へでかけていっては

かさとクルミで テッテケテケテケテ。

さぁさ、みなさま ごらんあれ。
今日はクルミをふたつ まわしてごらんにいれましょう。
そぉれ!

テッテケテケテケテ

気晴らし晴らしのリスでござい。
笑いのたねまき はじまるよ。

テッテケテケテケあ〜したてんきになぁれ。


*おしまい*

(C)つっきん 2006.7.9 

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