きみの くじら

          文 つっきん
ざっぱーーーーーん
ざっぱーーーーーん
どこまでも つづく 海は ぼくのもの




どこまでも ひろがる 空も ぼくのもの



ぼくのいる場所が いつも世界の中心。
いつも どんなときも




ざっぱーーーーーん
ざっぱーーーーーん



ぼくは くじら




ぼくは おもう



しんちゃんは 元気にしているだろうかと。


・・・

親愛なるしんちゃん

元気にしていますか
ぼくは 元気

毎日 海と空のさかいめを ゆうゆうと泳いでいるんだ

そうさ ゆうゆうと

きみのおかげで この海と空 すべてが ぼくのものに なった
ありがとう と いうべきだね。

ありがとう の かわりに ぼくは いつも おおいばりで およいでいるよ。

・・・

親愛なるしんちゃん

元気にしていますか

きみに この おおうなばら を 見せたい
おおうなばら って 「大きな」 「海の」 「原っぱ」 と書くんだ。
きみの 知ってる 原っぱとはちがう。

だんぜん 大きい。
ぼくが とてつもなく ちっぽけなものに 感じるほどに。

そして
どこまでも 青 だ。
いろんな 青 だ。

・・・

親愛なるしんちゃん

元気にしていますか。

「親愛なる」って、いい言葉だね。
なにがって  ひびきが いい。

きみの おねえちゃんが あの日 聞いたんだ。
「ママ、『親愛なる』ってなぁに?」

きみの ママは 言った。
「お手紙のはじめに相手のことを大切に想いながら呼びかけるはじまりの言葉」

なんのことやら。
くじらの ぼくには よくわからない。
ただ なぜか とても 気に入った。
「親愛なる」 
いい言葉だ
きみも おぼえておくと いい
とても 大好きだよって 思えるから。

「親愛なる」 かっこいい言葉だ。
かっこいいの きみも 好きだろう?


・・・

親愛なるしんちゃん

いつか、海を みに おいで

ぼくは だいかんげいだ

巨大びっくりみずてっぽうを してあげるよ
つりをしたって いい

そうだ、ぼくのせなかにだって のせてあげる。
きっと、魚がすずなりに つれるぞ。万国旗のようにね。

まっているよ。



・・・

ざっぱーーーーーん
ざっぱーーーーーん


どこまでも つづく 海は ぼくのもの




どこまでも ひろがる 空も ぼくのもの


ぼくは くじら


きみの くじら


いつも きみを おもう そっと そっと

                                 by Shin …my son…5years old

これは くじらから くじらのともだち 
親愛なるしんちゃんへのお手紙。

しんちゃんが、とてもきもちよく晴れた日に
画用紙いっぱいに描いたくじらから届いた

不思議で・・・
小さな お手紙です。

©tukkin 2002-11



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