みずいろのながぐつ
文 つっきん 絵 La-La Mariko

 あるひ、げたばこのとびらが あいたとき、
ぼくは そとへ とびだしたんだ。
 ぼくは こどものながぐつ。
ひさしぶりの そとは、
まぶしくてきもちいいなぁ。

 まえは、
あめのひはもちろん はれたひだって
そとに つれだしてもらえた。
ぼくは うれしくて 
ちいさいあしを どこへだって つれてった。
 あいつのせいなんだ。
ピカピカのしんいりが
おおきなかおして はいってきた。
ぼくは ぎゅうぎゅうおされて 
おかげで すっかり 
からだが よじれてしまった。
「フー」
おおきく いきをすいこむと、
よじれたからだが しゃんとしたきがするよ。
さぁ、
だれかを おのぞみのところへ
つれていってあげよう。
だれが ぼくをきにいってくれるか
たのしみだ!

 さいしょに あったのは、
おしゃれな しろいねこ。

「ぼくと どこか いきませんか?」
「あたしが?あんたと?じょうだんでしょう!
くさい においが うつっちゃうわ!」
 ねこは ギャッ と ぼくをひっかいて
ツンツン むこうへいってしまった。
いたい! なんてしつれいな ねこだろう!
 きずを さすっていると、
カラスが すうっとやってきて、
ぼくを じろじろ みていた。
「ねぇ、ぼくをはいてみない? 
どこへでも つれていってあげるよ」
 カラスは カッカッカー とわらって、
するどい くちばしで ぼくをつつくなり、
「ばかいうな。
おれさまには はねがあるのさ。
きったない ぼろぐつこぞう!」
と、そのまま ひゅうんととんでいった。

 あぁ、がっかり。
 ぼくは きたない やくたたず。
だれにも あいてにされないなんて
さびしいよう。
 ポッポッ・・・ポツン。
 あめ・・・。つめたいなぁ。
からだのなかまで ぬれちゃうよ。
どこかで あまやどりをしなくちゃ。
 ところが いっぽふみだしたとたん
ぼくは、ずるんとすべって ころんだ。
きずだらけのからだに
あめと どろが しみて
どうしようもなく いたい。
・・・もう だめだ。
 たおれたまま、きをうしないそうになった。
そのとき、ズルッズルッと
だれかがぼくのからだに はいってきた。
はねから ちをながした
ぶるぶるふるえている いちわのことり。
 ことりを たすけてあげなくちゃ。
そらを とべないなんて
かなしいに きまってる
 あめが やむと、
ぼくは ことりをいれたまま
ゆっくりおきあがって、
そおっと そおっと はしりはじめた。
ねこのことも、カラスのことも
みんなわすれて、はしりつづけた。

・・・びょういん ここだ!
 ことりの はいっていないほうで
なんども ドアに たいあたりした。
なかから でてきた おいしゃさんは
ほんとうに おどろいていた。
そりゃ、そうさ。
ぼろぼろの ちいさな ながぐつと
けがをした ことりが
とつぜん たずねてきたのだから。

 おいしゃさんは すぐに 
ことりの てあてをしてくれた。
おいしゃさんの おくさんが
ぼくのからだを きれいに ふいて、
いってくれた。
「ゆうかんな、ながぐつくん。
よかったら、うちにいなさい。」

 いま、ぼくは、びょういんのまどべで
げんきになった ことりと はなしをしたり、
うたをきかせてもらったりしている。
 ぼくのからだには いちりんの
おおきなあじさい。
 おくさんは ぼくをかびんがわりに
つかってくれ、かんじゃさんたちに
ぼくのことを はなしてくれる。
ぼくは、とてもしあわせだ。

 ないしょだけど、
こんやは あじさいとやくそくがあるんだ。
こうえんで、ぶらんこにのりたいって、
いうのでね。
 それまで、ひとねむりしよう。
ぼくのはなしは これで おしまい。 

©La−La Mariko 2000.11


©tukkin.1999
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