戻る細胞くん2次のお話
文つっきん 

細胞くんの朝。

ゆっくりとのびをする。
ふうちゃんも うでを うーんとのばす。
気持ちは ひとつ。

細胞くんは、小さく挨拶をする。
お隣の細胞に、お向かいの細胞に。
ぴこっと 小さな細胞たちが 揺れる。ぴこ ぴこ ぴこっ。
ふうちゃん ぶるっと むしゃぶるい。

細胞くんは、耳を澄ます。
川の流れる 音にのり、
来た、来た、来た、来た
酸素だま。
するりと、細胞くんのからだの中をひとまわり。
「あー、すっきり」
細胞くんは、きれい さっぱり、目も覚める。

川の流れる音が よどんでいることも ある。
そんなときは 静かに 祈る。
それが 自分に できること。

今日は、ぜんぜん 調子 いい。

ジャー
「ひゃっ、冷たいっ」

バシャッ、バシャッ
細胞くんは、壁の向こうにも たくさんの 仲間を 感じる。

「ふう、さっぱり。」
ふうちゃんの 声がする。

ふうちゃんが お水で顔を 洗ったのさ。

細胞くんは、ふうちゃんの 右手の ひとさしゆびのなかに ちょんと いる。
ふうちゃんが 顔を手でなでると 感じるのさ。
皮膚という壁の向こうに 仲間たち。 

細胞くんの朝は、こんなふうにはじまる。

感じてごらん。
君の右手にだって 細胞くんの 友だちが ちょんと いる。



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