しらさぎとカラス  
文 つっきん



しらさぎが あおいあおい 空の こっちから
カラスが あおいあおい 空の あっちから
するーり するーり飛んできました。

しらさぎは ごきげんでした。
このあおい 空は あたくしのもの。

カラスも とんでもなく ごきげんでした。
このあおい 空ごとまるまる おらのもの。

おたがい すがたが 見えないわけが ありません。

ああ。なんてことでしょう。

しらさぎは がっかりしてきました。
なにか いやな よかんが したからです。

カラスは げんなりしてきました。
なにか 見たくもないものを 見たからです。

あおいあおい 空のまんなかで 
しらさぎと カラスは 会いました。

しらさぎは「こんにちは。」といいました。

カラスは「ごきげんよう。」といいました。

しらさぎとカラスが まったくどうじに あいさつしたので
あおいあおい 空のまんなかにで 風がふんわり生まれ
しらさぎと カラスは 
くるりくるりと 円を描いておどりました。

しらさぎは驚きました。
カラスの黒光りした羽があまりにきれいで。

カラスは驚きました。
しらさぎの白い羽があまりにやさしく光ってて。

あらあら。
そんなつもりは なかったのに。

それから
しらさぎはしらさぎの向かう方へ
カラスはカラスの向かう方へ

するーり するーり飛んでいきました。

しらさぎは心の中があたたかくなったことを
カラスはなんともくすぐったくなったことを

なんといってよいのか わかりませんでした。

それはそれは美しい光景でした。

*おしまい*

©tukkin/Kiyoko Kishino2006.11.15


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