いもさる

  文 つっきん
おいらは さる。
にんげん に とっては とくべつな さる。

「イモを あらって たべたさる」ってのは おいらのことさ。
とうぜん むれのみんながまねた。
それだけじゃない。
ぜんぜんべつのばしょにすむ さるたちも
イモをあらって たべはじめたらしいな。

あーら ふしぎ。こら ふしぎ。
にんげんたちは おおさわぎ。
えらいひとたち おおさわぎ。
にんげんって かわいいもんだな。たのしいもんだな。

おいらが なんで イモを あらって たべたのか?
どろだんごは まずい。くえない。
ただ、どろのしたのイモは おいしそうだと ぴぴっと きた。

ちょうどそこは うみの そば。
おいらは きがついたら なみうちぎわで イモを あらっていた。
はっけんって  いつも そんなものだろ?

パクッ

「うんめぇ〜〜〜」
こいつはいける!

パクパクッ
「おぉぉぉぉお!」
いっしゅんのできごとさ。
おいらのからだが むくむく そらのちかくまで でっかくなって
おいらは おもいっきり さけんだぞ。

「あらってたべると うんめぇぞぉ〜〜〜〜

おいらのこえは かぜにのり、 なみにのり
のをこえ やまこえ 
ぎゅーんと ちきゅうを すみから すみまで まわったのさ。

「うんめぇぞ〜」は
でんしゃや ひこうき なんかとも ならんで はしって、
ならんで とんで・・・
もしかしたら うちゅうのさるにも きこえたな。

からだは もとに もどったさ。
そのまんまじゃ おいらだって こまっちまう。
いったろ?
いっしゅんの できごとだって。

あっちでも こっちでも
「ほんとだ、ほんとだ うんめぇぞ〜〜〜

いきてるって すばらしい。
あらったイモをかたてに おいらは じーんとしたもんだ。

たった それだけのことなのに
ふしぎでもなんでもないことを
おおさわぎしている にんげんって おもしろいやつ。にくめないやつ。

たねあかし しないほうがよかったかい?

いっひっひ。
だって、おいらは ちょいと おしゃべりな さるだもん♪


©tukkin 2001.2

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