ミニミニ童話

ねこじゃらし

       文 つっきん

風に吹かれて ねこじゃらし
じゃら じゃら じゃら ねこじゃらし
今日も 神様にお願い中

「どうか、僕を大きな木にしてください」

神様は、聞こえているのかいないのか
静かな静かな 息 ひとつ

静かな静かな 風が吹き
風に吹かれて ねこじゃらし

神様は、いつ大きな木にしてくれるだろうと
風に吹かれて ゆめごこち

そっと近づく 黒い影
ぎゅっとつかまれた ねこじゃらし
ぶちっと ちぎった 小さな手
つみとられてしまった ねこじゃらし

ああ、もう願いは かなわない

こちょこちょ こちょこちょ ねこじゃらし
こっちの子供の ほっぺに こちょこちょ
あっちの子供の お首に こちょこちょ
こちょこちょ こちょこちょ ねこじゃらし

「なんだか、僕も くすぐったい」
そして 小さく 思ったよ。

また 願えばいいさ
・・・ニンゲンノ ハダッテ ヤワラカイ・・・

「もう帰ろうよ!」のみんなの声に
「ちょっと待ってよ」 小さな手の主

小さな手の主
大きな木の幹に近づいて
木の皮がむけたところに
ねこじゃらしを ぷすっと さして 
くるりと 背を向け さってった

大きな木の幹に ねこじゃらし
小枝のような ねこじゃらし

夕焼けに ぽわっと そまる 
小枝のような ねこじゃらし

大きな木の ねこじゃらし

こんなことってあるんだね
僕は ねこじゃらしで よかったなぁ

おっといけない、忘れ物
「神様 どうも ありがとう」

神様は、聞こえているのかいないのか
静かに静かに まばたき ひとつ

静かな静かな 夜が来て
空に お星が またたいて
ねこじゃらしは 深く眠りにつきました

ちっぽけな ねこじゃらしの
ちっぽけで ちっぽけな お話です。

おにのつの

文 つっきん

これ あげる

・・・なあに?

おにのつの

・・・どうするの?

あたまにつけてごらん おにになれるよ

・・・こう?

あはは
きみがつけると なんだか とってもかわいいねぇ

・・・ほんとに おにに なっちゃうの?

ははは
きみは おに かい? 
きみは つのつけたって おに じゃない

・・・これ だれの?

ぼくの
だって ぼくは おにだもの
はえかわるのさ おにのつの

あたらしいつのが はえてくるまで 人間の子とあそべるの
はんにちで はえてきちゃうんだけどね

・・・なにして あそぶ?

おにごっこ!

・・・いいのぉ?おにごっこ くすくすくす

「じゃん けん ぽん!」

おにさんこちら、手のなる方へ
・・・おにさんこちら、手のなる方へ

おにさんこちら、手のなる方へ
・・・おにさんこちら、手のなる方へ

・・・あ、あたまに ちいさな つの でてきたよ!

たいへん! 行かなきゃ!
つのがはえたら あそべない

これ、あげる

・・・どうして?

魔法の力、あるから

きみが本当に守りたいものを 守ってくれる
ぎゅっとにぎれば 大きな力がわいてくるって ばあちゃんが いってた
怒るって そういうことだって
守りたいもののために つかう 魔法の力なんだって
それも ばあちゃんが いってた
ぼくは またつのが はえるから
これは きみに あげる

さようなら
・・・さようなら ありがとう! 元気でね!

くぅちゃんの てのひらに ころんと かわいい おにのつの
・・・とっても ふしぎな 子だったなぁ
おにのつのは 魔法のつの
力が 力が わいてくる
だいじに ぽっけに しまっとこ。

©tukkin 2002.5

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