天使のパズル

「天使のパズル」は デジタルハウスお楽しみ家さんで製本、販売されています。
主人公のところへお名前を自由に入れていただくことのできるオーダーメイド絵本。
メッセージを添え、大切な人や、記念日に こんな贈り物はいかがですか?
みんな幸せになれますようにって
あなたのそばの天使たち、今日もパズルを楽しんでるよ。


文 つっきん  絵 らら まりこ


人の心は どんな形?
たぶん、限りなくハートに近いけど 人それぞれの数だけ、色や形もまたそれぞれ。
わき出る気持ちが、増えるたび、ハートはどんどん変わってく。
そう、わき出る気持ちはパズルのピース。
パズルを組み立てるのは、
ほら・・・  女の子のそばで、天使たちが やってるよ。


駅前のクレープ、食べに行かない?」
「そうそう、近くに新しいお店もできたのよ」
「ほんと?」
かよがわくわくしたとたん 踊るようにこぼれたオレンジのピース。
天使たちもわくわく。
「いい色のパズルのピース」
「うまく合うかなぁ。…いいねぇ、バッチリ。」クスクスクス。
「ねぇねぇ、小さいけど、かわいいハートができたね。」
「まだ、小さすぎるし、形もなんだかへんだけど」
「ちょっと、彼女に見せたくなっちゃうね。」クスクスクス。


「かよちゃん」 女の子が一瞬立ち止まった。
・・・誰か呼んだ? ・・・
気のせいかしら?
!?うそ!
目の前に、天使が二人、笑ってる。
向こうが透けて見えそうな、淡いオレンジ色の小さなハートを持って。
「これは?」
「これは、あなたの心の形。 あなたが感じた気持ちが、いろいろな形で出てくるの。
ハートの形に組み立ててるのは私たち。きれいでしょ」クスクスクス。




これが、私のハート?
確かに小さいけど、でも、きれい。
かよの目から、こぼれた不思議にドキドキした涙がほろり。
涙色のピース。
「ほら、ナイスキャッチ!」
天使が小さなハートにかっちりはめた。
「また、色が少し濃くなった。ちょっぴりあたたかくなったよ。」


「このハート見てもらいたい人がいるの!」
「え!?」
天使たちは、顔を見合わせ、ちょっと困った顔をした。
「私の好きな人、たくちゃんに。」
「だめだめ。ほんとは見せたりしちゃ だめなの。」
「だって見せてくれたじゃない。」
「それは、そうだけど・・・」
「これだけは覚えていてね。 ハートはね、相手に見えないこともあるし、
見えたとしても・・・ 壊れてしまうこともあるってこと。」
「・・・それでも いい」
それは心からの強い気持ち。
真紅のピース、決意のピース。
天使たちは知ってる。
このピースでハートは強くなるってこと。


「彼に私のハートを届けたい」
かよの心がどんどん動きだした。
パズルのピースがつぎつぎとあふれてくる、つぎつぎと。
青く青く澄み渡る空を見つめて 同じ空の下にいる彼を思うとき。
街路樹の木々の声に耳をかたむけると 彼の声を思い出す。
私ももっとお話ししたいと せつなく祈るとき。
彼の笑顔が私だけのものだったらいいのに 。
彼の淋しそうな顔は私が簡単に変えてあげられたらいいのに 。
町で流れる音楽も、すべて彼へとつながる、つながる。




天使たちは 大忙し。
あふれ出るピースを両手いっぱいに抱えてせっせとパズルに取りかかる。
ハートの形は まったく なんて むずかしい!
あらあら、どこかで一休みしたらしい。
木の枝に置き忘れたピースを鳥が届けに来ているよ。



ようやく ようやく
「私たちの最高傑作」クスクスクス。
天使たちが かよへ、しっかり手渡した。
「さぁ、行っておいで。 自分で届けに行くんだよ。
たくちゃんに、このハートをね。 きっと忘れられない一日が待ってるから。」

ここからまた、天使のパズルは はじまる、はじまる。

©tukkin 2001.1
©La−La Mariko.2001.1

デジタルハウスお楽しみ家

おはなしへ